宮古島冬のさとうきび

宮古島冬のサトウキビ

沖縄ならではの風景といえば「青い海」「青い空」そして風に揺れるさとうきび畑。

THEBOOMの島唄や森山良子さんの「さとうきび畑」の「ざわわ、ざわわ、ざわわ」で一躍沖縄の風景になりました。

さとうきびは方言で「うーじ」と表記されることが多いですが、宮古島では「ぶーず」と呼ばれます。同じ琉球弧の方言でも植物や生物の名前は各地域で違うことが多いです。

さとうきびの花

さとうきびはイネ科で、属性は違いますが冬になるとすすきのような穂をだします。これがさとうきびの花です。

日に当たると畑一面銀色の穂花が揺れて幻想的で、冬の宮古島の風景の一つです。

そんな「ぶーず」、さとうきびは12月から2月の間で収穫されます。

宮古島には製糖工場が下地・城辺・伊良部と3カ所あり、毎年操業日が発表されそれを合図にさとうきびの収穫、「きびたおし」が始まります。

家族総出、または畑を持っている人同士で今日は〇〇さんの畑、次は□□さんの畑、と順番に「きびたおし」を行っていきます。私が子供の頃は冬休みのお小遣い稼ぎをする同級生が多くいました。

鎌でさとうきびの葉を取り、花が咲いた先端を切り落としひもやワイヤーでまとめてダンプカーに積み、そのまま製糖工場へ出荷します。

最近は、人手不足や高齢化が進み、さとうきび用のハーベスターという農機具を持ち回りで使用して収穫を行います。

道路沿い両側さとうきび畑

ちょっと古い映画ですが、さとうきび農家のおじいの家で、住み込み収穫バイトに来た男女が収穫を手伝いながら自分に向き合っていく「深呼吸の必要」という作品で、さとうきびの畑仕事が詳しく描かれていて、さとうきびに関わる生活がよく表現されているので必見です。

宮古島は平坦で温かい気候は農耕地として適していますが、台風が多かったり、川が無いので干ばつになったりと天気に左右されやすく農作物を育てるのが大変だったりします。

その中でもさとうきびは被害を受けやすいので実はどんどん品種改良されているのです。

幹が太くなり風で折れにくく、長く雨が降らなくても立ち枯れしないようどんどん改良が進み、手刈りするなら農林〇〇号、太くて重いのなら農林〇〇号、と今では用途に合わせた品種の株を使い分けてサトウキビを育てています

宮古島では身近すぎて見過ごしてしまうさとうきび畑。

ちょっと止まって眺めてみるのもいいかもしれません。